お正月の鏡開きも終わり、通常モードに戻りつつありますが…お正月の食べ癖をダラダラ引きずっているのは私だけでしょうか…(;^_^A
さて、今回は羽黒町の地域行事として200年もの歴史のある「塞の神(さいのかみ)」というお祭りをご紹介したいと思います。この行事は羽黒町手向の伝統行事として、つちだよしはるさんの絵本「ふくの神どっさどっさぁり」のモデルにもなっています。
塞の神は毎年1月15日または15日に近い日曜日に行われる小正月の祭り。集落の外から入り込む疫病・悪霊を防ぐ神様で、もともと道祖神信仰に由来し、無病息災、五穀豊穣などを祈願するものです。
祭り当日の夕方、地区の小中学生男子が公民館に集まり、神棚に納められた大黒天を拝みます。
神棚から大黒天を出すと、紙垂(しで:しめ縄や玉串(たまぐし)などに付ける四角くヒラヒラした紙)で飾り付け、背中に背負えるように背負子(しょいこ)に大黒天を乗せます。
また、男神、女神の顔が墨で描かれた長さの違う棒、デクノボー(塞の神)を一対で拍子木として子供達が持ちます。
16時になりました~公民館を出発!大黒天を背負った中学3年生の親方(代表)が先頭になり、子供達全員で「まいごんだ~まいごんだ~、福の神がまいごんだ~、ここねさまいごんだ~、どっさりまいごんだ~、豊年だ豊年だ~300年の豊年だ~」と歌い、デクノボーを「ケンケン」鳴らしながら地区内を練り歩きます。
私の地区は約100戸ほどあるのですが、一軒一軒回り、それぞれの家の玄関前に全員が横に整列後、大黒天を背負った親方が玄関に入り、大黒天を家人に見せる形で座ります。
「せ~の!」で「まいごんだ~まいごんだ~…」と大声で歌い、家人は大黒天を拝み、子供達が手に持った木綿の袋に祝儀としてお金を入れます。昔は米や豆、心づけとしてお菓子やみかんなども渡していたそうですが、今は集まったご祝儀を子供たちが分け前として頂くのが習わしです。100軒回って20時頃に終了~今年は少し小雨に降られた程度でしたが、年によっては大吹雪の時もあり、天候次第で天国地獄の大変な行事なのですが、なにせ男の子たちにとっては大きな臨時収入が得られるので、体はへとへとでも最後はご祝儀を頂きニッコニコ、懐ホクホクなのです~(*´ω`*)
今の子供達は豊かな生活に慣れてしまい、「豊年だ~豊年だ~」なんて歌いながらも「豊年の意味わかる?」と聞くと「さあ???」って感じで、昔の人たちの生活の苦労など想像もできないようですが、みんなに幸せをもたらすために重たい福の神を背負って雪の中、真っ暗な夜道を歌いながら歩いた記憶は大人になっても忘れることはないでしょう…